集落による集落のためのシンクタンク

コミュニティビジネス起業入門セミナー⑤『地域資源の活かし方』を開催しました

11月 28, 2019

地域を支える人材の支援・育成 岡山市 おこすおしらせ

さる11月24日(日)岡山市勤労者福祉センターにおいて、岡山市地域活力創出担い手育成塾 第5回コミュニティビジネス起業入門セミナー「地域資源の活かし方」
を開催致しました。みんけんでは、企画と運営の御手伝いをさせて頂いております。雨が心配される予報だったこともあり、当日の参加者は7名と少々少なめではありましたが、その分講師でおこし頂いた松尾敏正氏(一般社団法人コミュニティデザイン)から、各参加者に対して丁寧なアドバイスを頂くことができました。

大阪、東京でこれまで飲食店40店舗の立上げ、運営に関わってきた松尾氏は、ご両親の出身地である岡山県真庭市に、6年前にご家族を連れてIターンされました。地域おこし協力隊として提示されたミッションは「地域に入れ」とのこと。どこに行って何をすれば地域に入ったことになるのか・・・、考えた松尾氏は、地域に出てそこに暮らす人々の話を聞くことから始めました。

1日4人のアポをとることを目標に、真庭市内多くの地域を巡り、それぞれの地域で活動するプレイヤーが抱える課題を共有しました。その中で、真庭市に合併した旧町それぞれの住民が、その他の地域への関心が低いことを感じた松尾氏は、地域を横断して課題解決に取り組むプレイヤー同士を結ぶ(混ぜる)ことにしました。その活動の中で生まれた成果として、水田地区の水田米、湯原温泉の青大豆おかみさんカレーをご紹介いただきました。水田米では、大手事業者に出荷するだけだった水田地区のお米の一部を自ら小袋に詰めて販売。パッケージは地元の小学生の案を下にデザインした。また、栽培の様子が分かるSNSアカウントも立ち上げた。そのことで、都市部に住む水田地区の出身者が「故郷の四季が分かる」として喜ぶなど、売れたこと以上に地域を支えるコミュニティの進化に繋がったことが紹介されました。

また、湯原特産青大豆カレーについては、これといった特産品が無かった湯原地区で、古くから生産されていた青大豆「キヨミドリ」を使った商品を温泉旅館のおかみさん考案レシピにより開発したことで、青大豆の認知向上と、栽培拡大による耕作放棄地の活用に繋がったこと、またクラウドファンディングを用いて資金調達を行うことで、返礼品の提供等を通じた温泉旅館の利用者の獲得など、新たな顧客創造につながったことなどが紹介されました。

そしてそれら松尾氏が地域の方々と共に開発した特産品を、自身が真庭市勝山で営むカフェ「Nostalgie Cafe ろまん亭」で取り扱うことで、販路が確保でき、商品の循環も生まれたということでした。またカフェで使う野菜の仕入れも、近隣の商店を通じて行われています。理由として、生産地から直接買うことも出来るが、地域の商店を通じて購入することで、地域も潤い、その商店の方もお店に来られるし、信頼も得ることにも繋がる、とのことでした。それらを考えると、決して高い買物ではないとのことでした。その他、お店の運営のために最低限抑えておくべき売上原価の見当けといったノウハウも、経験を元にご紹介頂きました。

講演の後は演習として、それぞれの参加者の方がイメージする活動内容を掘り下げて頂きました。事前課題として配布していた「資源活用考えてみようシート」の項目に則り、活用を考えている地域資源、地域資源に関心を持つお客さんの想定、活用に必要な支援について書き出したものを元に、参加者全員の前で発表いただき、それに対しての松尾氏からの質問にお答えいただくする形で掘り下げていきました。
そのことで参加者は、まず何を基点に事業を組み立てていくべきか、そこから考えていかなくてはいけないことはなにか、サポーターではなく、キーマンの確立を意識できているかなどを、確認いただけました。今回は受講生が予定より少なめであったこともあり、松尾氏から参加者各々のプランにじっくりアドバイスを頂くことができました。

このように行われた第5回コミュニティビジネス起業入門セミナー、次回第6回は12月21日(土)、同時刻同会場にて引き続き松尾氏を講師にお迎えし、「商品開発とプロモーション」をテーマにご講演いただき、学びを深めるための演習を行います。第6回のみの参加も可能ですので、関心をお持ちの方は是非ご参加いただければと思います。勉強になりますよ!

■第6回コミュニティビジネス起業入門セミナー『商品開発とプロモーション』
日 時:12月21日(土)13:30~15:30
会 場:岡山市勤労者福祉センター(岡山市北区春日町5-6)4F 大会議室
テーマ:商品販売・仲間集め・イベント開催に不可欠な、情報の切り取り方、発信などについて学びます。
講 師:松尾 敏正 氏 (一社)コミュニティデザイン 代表理事
申込先:地域活力創出担い手育成塾運営事務局(株式会社ビザビ)
電話 086-224-7171 / FAX 086-234-9532 / E-mail:chiikikatsuryoku@vis-a-vis.co.jp