集落による集落のためのシンクタンク

第2回 地域おこしスペシャリスト講演会が開催されました! 

11月 13, 2018

地域を支える人材の支援・育成 岡山市 おこすまもる

みんけんが企画・運営をお手伝いさせて頂いております、「岡山市地域活力創出担い手育成塾」の、「第2回地域おこしスペシャリスト講演会」が、さる10月26日(金)国際交流センター8F イベントホールにて開催され、当日は約70名の方々にお集まりになりました。

全国でご活躍のコミュニティビジネスの実践者を招いて行われるこの講演会。この7月に認定NPO法人グリーンバレー理事の大南さんを講師にお迎えしたものに続いて2度目の開催となります。この度の講師は、岐阜県飛騨古川市に拠点を置き、全国はもとより海外でもクールな田舎のプロデュースに取り組まれている、株式会社美ら地球(ちゅらぼし)の代表、山田拓氏。地域の暮らしの風景をガイドの方が魅力的に案内するサイクリングツアーやスノーシューツアー、またそれらのプロデュース事業に取り組まれています。インバウンド観光先駆者である氏は、日本遺産の選考委員など政府の役職も務められています。

 

 

まず主催者である、岡山市事業政策課の黒瀬課長より、岡山市地域の未来づくり推進事業の概要等についてのご説明からスタート。地域の課題解決をコミュニティ・ビジネスの手法で進めること、担い手育成塾の中での当講演会の位置づけなどについてご説明が有りました。

その後、山田氏よりご講演を頂きました。現在美ら地球で取り組まれている事業のうち、BtoC事業のSATOYAMA EXPERIENCEでのサイクリングツアーのご様子を中心に、地域の古民家調査の結果や、取り組みが顧客、協力者を得てどのように広がっていたか。取り組みを進める上で大切にしてきたものは何か、などなどご説明いただきました。とりわけ会場が沸いたのはツアー事業開始以来ずっと一番人気な被写体をご紹介(意外なものです!)頂いた際で、まさに日本と外国の文化・環境の違いが価値になる、ということの証明でした。

 

 

 

いったんの講演終了後は、聴講されている皆様に前後左右の周囲の方と、講演内容を受けての意見交換を行って頂きました。理解を共有頂き、質疑内容の検討に生かしていただくのが狙いです。

 

その後質疑応答へ。寄せられた質問の一部をご紹介します。
Q ◎地域の住民がよそからの協力者の受け入れを良しとしない場合にはどうすればよいか
A 最初から全てにおいて理解を得ようとせず、徐々に活動を広げ、協力者を増やしていった。Iターン者であれば、習慣も文化も違う。そういった点では外国人と地域の人との関係に似ている。気を配りながら、相手を尊重しながら、出来る範囲で協力をし合い、交流を行えばよいのでは。

 

事前に著書を拝読しておりましたので、そこに書かれている範囲ではありますが、実際に山田氏ご自身が飛騨古川に移り住まわれるまで、移り住まわれてからのご苦労・ご奮闘も存じておりましたので、このご回答には重みを感じました…。

外国人旅行者にガイド対応などということで、高度なものを要求されるであろう人材、スタッフはどのように確保しているのか?というご質問には「全員Iターン者。地元の人はいない。外国を旅した経験がある人がほとんど。」というお話でした。

 

 

その他、いまインバウンド界隈で、どんどん観光客が入っているが、その事が逆に地域を疲弊させている状況も見られることについては、あえて門を閉じることも大切というアドバイスがなされました。多言語展開にしないことで、訪問者を旅慣れている観光客に絞ることが出来る。結果、需要(旅行者)と供給(事業者・地域)間での「こんなはずでは」リスクの軽減にも繋がるそうです。また、アジアの方々の眼には、そこまで飛騨古川の暮らしが新鮮に映らないのでは無いか(普段の生活とのギャップが多い方がより楽しめるから)との話しもありました。現時点ではSATOYAMA EXPERIENCE の利用者は欧米豪の方々が中心だそうです。

コミュニティ・ビジネスを取り組む上でも「何を目的・目標とする取り組みなのか」を考えることは、非常に大切なところです。それが明確でない場合、またそこに対しての同意が曖昧な場合には、やらなきゃ良かったという話になりかねないですが、門を閉じる・お客さんを選ぶというのは、そこに通じる話だなとお話を伺っていて思いました。

最後に、岡山市事業政策課の宮本課長補佐より、地域の未来づくり推進事業に係る補助について等をご説明頂き、閉会となりました。

 

 

終了後に回収させて頂いたアンケートからは、以下のような声をお寄せ頂きました。
◎印象に残ったコトバ
・地域と旅人のバランスを取りながら、持続的に正しいツーリズムを実現すること
・旅人、住人、地元企業、若者のHAPPY
・暮らしを旅する
・あえて多言語にしない
・外国人にトラクター、田植え機が人気

 

◎意見・感想
・ありがとうございました。一度お話を伺いたいと思っていた方だったので、感激でした。
・大変勉強になりました、ありがとうございます。なにかできそうな気持ちになりました。
・講師の事業の体験ツアーがあれば面白いと思います

 

地域の課題をコミュニティ・ビジネスの手法で解決する、というと、何やら難しいようにも思えますが、自分たちが大切にしたいものを守るためには何が必要か。得意なこと、好きなことを活かして地域を、暮らしを守っていくために必要な考え方はなにか…。その視点で物事、手段を考える際には、この度のご講演で共有頂いた内容は、必ずといって良いほど必要になる考え方だと思います。

 

もっと詳しく話を聞きたい。またそう思っている方々と一緒に学びたいという方は、コミュニティ・ビジネス起業入門セミナーの受講をオススメ致します。2018上期のセミナーで講師をお勤め頂いた、NPO法人笑顔つなげて代表理事の曽根原久司氏に2018下期の開催の当該セミナーの講師としてお越し頂きます。会期はこの11月18日から全3回。参加無料です。
上期で受講頂いた方の中から、今年度9月決定の地域活動応援補助金の採択者もでております。地域活動のきっかけとして、仲間探しの場として、きっと皆様のお役に立てることと思います。

 

◆開催日程
第1回「コミュニティビジネス概要/地域資源とターゲット」
日 時:11月18日(日)13:30~15:30
会 場:岡山市勤労者福祉センター 4階第1会議室

第2回「ビジネスモデルの構築」
日 時:12月15日(土)13:30~15:30
会 場:岡山市勤労者福祉センター 4階第1会議室

第3回「プレゼンテーションの作成と発表」
日 時:平成31年1月26日(土)13:30~15:30
会 場:岡山市勤労者福祉センター 4階第1会議室

 

お申込みは下記までお願い致します。
◆お問合せ先
□地域活力創出担い手育成塾運営事務局(株式会社ビザビ内 担当:稲村・神田)
□電話 086-224-7171(平日9:30-18:30)
□FAX: 086-234-9532
□メール:chiikikatsuryoku2018@vis-a-vis.co.jp